Winnie the Pooh

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Winnie-the-Poohは「くまのプーさん」。はちみつ好きで赤いTシャツを着たディズニーの有名な黄色いくまのことです。誰もが知っているプーさんですが、この物語を読んだことがある方は少ないのではないでしょうか。

Winnie-the-Poohは1926年に発表されたA・A・ミルンの児童小説で、くまのぬいぐるみである「プー」と100エーカーの森の仲間達との日常生活を描いた物語です。プーのモデルとなったのはミルンの息子であるクリストファー・ロビン・ミルンが持っていたテディベア(ファーネル社製)。このテディベアはクリストファーが1歳の時に誕生日プレゼントとしてハロッズで購入されたものだそうです。

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「ウィニー・ザ・プー」の名前の由来となったのは、当時ロンドン動物園で公開されて人気を集めていたクロクマの「ウィニー」と、ミルン親子がたびたび訪れていたサセックス州ポーリングにいる白鳥「プー」。物語に登場する動物たちにもモデルがいて、ロバのイーヨーはプーをプレゼントしたのと同い年のクリスマスプレゼント、子豚のピグレットはミルンの隣人がプレゼントしてくれたもの、更にカンガルーの親子のカンガとルー、トラの子どものティガーは物語にキャラクターを登場させるためにミルンがハロッズで買い足したそうです。特定のモデルがいないキャラクターはふくろうのオウルとうさぎのラビットだけ。そのぬいぐるみ達はミルンによる「出生証明書」付きで長年の間アメリカで巡回展時が行われたそうです。(現在はニューヨーク公共図書館で展示されているそうです。)

総語数は22,240語と少し多め。多読に慣れてきた方のステップアップにオススメです。物語の舞台となったのはサセックス州に実在する田園地帯のアッシュダウンの森。古い農場を買い取って別荘にしたミルンは、毎週末や休暇のたびに妻子(+ぬいぐるみたち)と訪れていたそうです。今ではプーさんの読者が訪れて物語の世界を体験する観光地となっています。

あらすじ

この物語は短い10編のエピソードで構成されています。第一章はプーが木の上の蜂の巣からはちみつをとろうとするお話。クリストファー・ロビンから風船を借りて飛び上がりますが・・・。プーが風船で飛んでいるイラストはとても有名なので一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。

第二章はラビットの家を訪問したプーが出口の穴につっかえてしまうというお話。このイラストも有名ですね。

第三章はプーの親友である子豚のピグレットが登場します。雪の日に謎のあしあとをみつけたプーとピグレット。そのあしあとを追いかけていきみつけたものは・・・。

第四章ではロバのイーヨーが主役の章です。イーヨーは陰気な性格ですぐにしょんぼりしてしまいます。そんなイーヨーが自分のしっぽを落としてしまう話。プーがあちこち探しまわった結果、ある意外なことにしっぽが使われているのをみつけます。

第五章は再度プーとピグレットの冒険物語。「ヘファランプ」という謎の生き物を捕まえるために落とし穴を掘りますが、おっちょこちょいなプーは作戦を台無しにしてしまいます。

第六章はまたまた陰気なイーヨーのお話。自分の誕生日を誰も祝ってくれないことで気を落としてしまったイーヨーにプー達はへんてこなプレゼントでお祝いをします。

第七章では新しいキャラクターであるカンガルーの親子カンガとルーが森にやってきたエピソードです。突然現れたカンガルーの親子に反感をもったうさぎのラピットが嫌がらせをして追い出す計画を立てますが・・・。

第八章はクリストファー・ロビンが森の仲間達を引き連れてノースポール探検隊と称するピクニックに出かける話。

第九章は大雨で洪水が起こった森の中で恐怖にかられたピグレットがプーに助けを求めます。洪水の中、機転を利かせてピグレットを助けにいくプーが大活躍するお話です。

最終話の第十章は前章のプーの活躍をたたえ、クリストファー・ロビンが祝賀会を開くエピソードとなっています。

なにかが不思議。森の仲間達の精神状態

Winny the poohを読み進めていくと、プーのあまりにも突拍子のない行動やこだわりを持ちすぎるところに驚く場面がいくつもでてきます。こういった行動は発達障害や精神的な障害なのではないかと考え、分析した専門がグループがいます。とても興味深い内容ですので、ここで簡単にご紹介します。

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プーは注意欠陥多動性障害(ADHD)
注意欠陥多動性障害は他動性、不注意、衝動性の症状と特徴とする神経発達症。ある章でプーは「雨雲に変装してはちみつをとる」というとてもかんがえられないようなとんでもない行動を起こします。こういった行動はADHDの衝動性の症状ではないかとこのグループは考えたようです。また、はちみつに対する脅迫的執着がこの症状を更に悪化させているのではと判断しています。

プーの食べ物(特にはちみつ)に対するこだわりと何度も数を数える行為は強迫性障害(OCD)の疑いもあるそうです。ADHDとOCDが合併していると将来トゥレット症候群を発症するおそれがあるそうです。トゥレット症候群は汚言症(意図せずに卑猥または冒涜的な発言をしてしまう症状)や運動チック(まばたきや体をゆすったりする行動)、音声チック(咳払いやため息)などの症状があります。

また、認知障害もあるようで、この原因はクリストファー・ロビンに階段を引きずられ、後頭部を何度も階段にぶつけたために揺さぶられっ子症候群ではないかと考えているようです。このような症状のプーは治療が必要で、薬物療法が有効と考えられています。メチルフェニデートを服用することで適応性が高くなり、多くの仕事がこなせるようになるということです。

また、プーだけではなく、森の仲間達にも深刻な症状があるようです。

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ピグレットは全般性不安障害
理由のない不安感のために日常生活に影響を及ぼす不安障害で、いつも不安で顔を赤くし、狼狽するピグレットはこの障害が当てはまるようです。小さい頃にきちんと診断をうけていたら不安にかられることはなかっただろうとの見解で、子どもに不安感に襲われるこの症状がでたらすぐに治療をすることが大事なようです。

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イーヨーは遺伝性・内因性のうつ病
イーヨーはいつも慢性的な気分の変調に悩まされています。元気がなく、失感情症の原因になるようなことはあまり描かれていませんが、なにか心理的トラウマになるようなことがあったのかもしれません。この症状にも抗鬱薬と精神療法が効果があるようで、もしイーヨーの主食であるアザミと一緒にセント・ジョーンズ・ワートが少しだけでも生えていたら、こんなに落ち込むことはなかったというのが残念です。

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